ランリュック vs ランドセル
ランリュックのデメリットを確認 ランドセルの代わりになるの?
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価格が安くて軽い「ランリュック」は魅力的ですが、実はデメリットもあります。入学後に「ランドセル」を買いなおす羽目にならないように、しっかり事前確認しておきましょう。
賛否あるランリュック
まずは、ランリュックのメリットとデメリットを整理します。
肯定派の意見
- 経済的
(ランドセルと比べると安く、家計にやさしい) - 合理的
(ランドセルとリュックのいいとこどりをした設計) - 軽量
(1,000g以下の商品が多い) - 斬新なデザイン
(布製にしかできないデザインがある) - ポケットが多い
(水筒やタブレット収納など、キメ細かい対応)
否定派の意見
- フォーマルさに欠ける
(式典で違和感を感じる人もいる) - カラーバリエーションが少ない
(ランドセルのほうが色彩は豊富) - 6年間保証がない
(一部メーカーを除き、保証がないことが多い) - 型崩れしやすい
(見た目だけでなく、姿勢悪化も心配) - 不安定な重心バランス
(荷物を入れると重心が下がる) - フィット感が弱い
(背カンがないため、成長に合わせた調整が難しい)
ランリュックで失敗した人達の体験談
※ランリュックに満足している体験談は、各メーカーの公式HPで確認できます。ここではあえてネガティブな口コミを掲載します。
ベルトが緩んでくる

ランリュックのベルトが緩んでくるのが難点です。気が付くたびに直していますが、すぐ左右のベルトが異なる長さになりがちです。
姿勢が悪くなるのが心配なので、近々ランリュックからランドセルへ買いなおす予定です。
蓋が開いてしまう

ランリュックのマグネット錠前(留め具)が外れやすいです。子供は閉めたつもりでも、蓋が閉まっていなことが多々あります。
荷物が多くてランリュックが膨れ上がると、磁石の接触面が少なくなり、ちょっとした振動で開いてしまうようです。
子供はセロテープで対策をしていますが、なんだかいまいちです。
かぶせが外側に反ってきた

ランリュックを1年間使った感想は、かぶせが外側に反り始めたのが気になります。
ナイロン生地のような柔らかい素材だからか・・・、雨でびしょ濡れになったのを放置したことが原因かは分かりません。
重しをのせてプレスしたら、少しマシになりました。
6年間持つのか不安です

ランリュックのコンセプトを気に入り購入したものの、後日「6年間保証」がないことが判明。「ランドセルは6年間保証があたりまえ」と思っていたので、これは盲点でした。
きちんと調べなかった私のミス。今のところ問題ありませんが、どれくらい持つのか不安です。
入学式で引け目を感じた

入学式用にスーツをレンタルしたのに、ランリュックだとカジュアル感があり、少し残念な思いをしました。
幸い本人は全く気にしておらず助かってますが、後々のことを考えると「入学式の写真を見てどう思うだろうか?」と気掛かりです。
ランドセルの代わりになる商品は?
ここまで読んで「ランリュックは駄目だ」と判断してしまうのは早計です。ランドセルの代わりになるランリュックはあります。
まず検討すべき商品は、元々ランドセル作りをしていた企業が新たに開発したランリュックです。例えば、フィットちゃんで有名なハシモトが開発した「ゼロリュック」や、池田屋の「エアリュック」が該当します。
ランドセルのアフターサポートを長年続けてきたメーカーなら、ランリュックに必要な機能や耐久性を熟知しているので、品質に安心感があります。
少し考えると分かることですが、ランドセルの使用環境はかなり過酷です。子供たちはランドセルに乗っかり、放り投げ、引きずりますが、それでも壊れない耐久性が必須です。
さらに子供たちは、小学校6年間で30cmぐらい大きくなります。それでも同じ鞄を背負い続けるには、身体の成長に追随する機能が要求されます。
ランドセルが日本独自のカルチャーなのも分かります。ランドセルに対する要求スペックが無理ゲーなのに、職人魂でクリアしてしまっているのです。
少し話が逸れましたが、次に検討すべき商品はGAPの「ベーシックスクールバッグ」や、タカアキの「リュッセル」です。
これらを推す第一の理由は、伝統的な学習院型ランドセルと形状が似ているからです。ランドセルと同じ人工皮革をかぶせに使用し、本体生地の厚みも十分あるので、安っぽさを感じません。
ランリュックであっても、しっかりした素材を使い芯材をいれれば、ランドセルのような形状を保ち自立します。トレードオフとして少し重量は増しますが、ペラペラ素材のランリュックより背負い心地は良いです。
ランリュックのQ&A
「ランドセルの代わりに、ランリュックを買っても大丈夫ですか?」という質問が増えています。そこでランリュックに関して、良くいただく質問に対する回答を公開しておきます。
- ランリュックで登校している子は何%ぐらい?
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自治体によっては、入学前の子供全員にランリュックを無償配布している地域もあります。
そのような地域を除くと、40人学級のクラスに2人いれば多いほうで、学年で1人だけというケースもあります。
- 悪目立ちして、いじめにつながるのでは?
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入学前はランドセルの種類や色で悩みますが、入学後まで引きずる人は少ないです。そして子供たちは、他人が何を持っていようが、それほど気にかけていません。
ただ確実にいえることは、ランリュック登校は少数派であることです。それを気に病むかは、本人の性格次第なので、なんともいえません。
心配であれば、1年生はピカピカのランドセルで入学して、学校に慣れてきたらランリュックも併用というのが無難な選択だと思います。
- 6年間使えるの?
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まずは各メーカーのラインアップを確認しましょう。複数サイズを展開をしている場合は、買い替えることが前提です。
背カンがないランリュックは、身体の成長に合わせてフィット感を出すのが難しいからです。耐久性に関しては、ナイロンやポリエステル素材の強度によります。合成繊維の太さを表す単位「D(デニール)」は、耐久性を示す目安となり、数値が大きいほうが頑丈です。
- 修理できますか?
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ランリュックでも金具の不具合は修理可能ですが、生地の劣化(穴・擦り切れ)は無理と思われます。
各メーカーの対応は様々ですが、ランドセルのような6年間無償保証は少ないです。
子供が使うものなので、購入する前に保証制度を確認しておきましょう。 - 丈夫なランリュックはありますか?
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いくら耐摩耗性に優れた素材でも、リュックの角や底は痛みます。経年による糸のほころびも出てくる可能性はあります。
「耐久性」の優先順位が高いのであれば、ランリュックよりランドセルのほうが良いと思います。
- 雨の日は教科書やノートが濡れてしまうのでは?
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防水仕様ではない製品を購入してしまうと、一般的なリュックと同じです。雨が降れば中身もずぶ濡れで、教科書やノートを床一面に広げて乾かす羽目になります。
それなので防水加工が施されているランリュックを選んでください。防水レベルも様々なので、できれば試験データを公開しているメーカーの商品がおすすめです。
防水や撥水をアピールしているランリュックでも、生地だけでは駄目です。ファスナーや背中側のメッシュ素材から、水がどんどん侵入してきます。
- かぶせ(蓋)は必要ですか?
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教材の出し入れを優先するなら「かぶせなし」。中身の保護(雨&衝撃など)を優先するなら「かぶせあり」です。
小学生は傘をさしていても、リュックはずぶ濡れ。よほど高撥水の素材でないと、水が染み込んできます。「かぶせあり」のほうが被害を最小限に抑えられます。
それだけでなく、かぶせがないタイプは、どうしてもカジュアルに見えてしまいます。「教育現場では違和感がある」という声も聞くので、慎重に検討したほうが良いでしょう。
市販品には、かぶせがないタイプだけでなく、取り外し可能なランリュックもあります。「かぶせあり」のほうが、色々とメリットがあるのでおすすめです。
有名企業がランリュック市場へ新規参入したことにより、バリエーションが増えてきました。子供服の「ファミリア」・アウトドア用品の「モンベル」・家具屋の「ニトリ」・作業服の「ワークマン」まで、ランリュックの販売を開始しています。
ファッション誌や子育て系メディアでは、ランリュックをもてはやし気味です。ただ少し冷静に判断したほうが良いです。当編集部が話題の新商品を一通りチェックしてみたところ、ランドセルと同等の機能があるランリュックは少ないです。