モンベルのランドセル

モンベルの「わんパック」をレビュー

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≪特徴≫
  • 軽量
    ※ 約930g
  • 小ぶり
    ※ マチ幅11cm(内寸)
  • 肩ベルトが自在に動く
    ※ 左右独立した動き
  • 自立可能
    ※ 背面と底面に芯材があり箱型を維持

わんパックのレビュー

モンベルのランドセルを背負う姿

モンベルの「わんパック」を背負う子供(身長130cm)。荷物が重くなっても楽に背負えるので、なかなかご満悦。

わんパックのブルーグリーン

今回選んだのは「ブルーグリーン」。他に「ブラウン」と「ワインレッド」もある3色展開。

わんパックの素材感

わんパックの素材はナイロン(840デニール)。それをTPUラミネートで表面加工。だから触り心地はツルツルしてますが、近づくとナイロンの素材感がうっすらと見えます。

わんパックの開閉方法

メイン収容の開閉は少し特殊。まず開閉ハンドルでファスナーを開けてから、タブを引き下げる。この手順を守るとマグネットロックがスムーズに解除されます。良くできているのですが、直感的操作ではないので、慣れるまで少し戸惑います。

わんパックのタブレット収納&前ポケット

前ポケットの内側に、小物入れがあり便利。背中側にはタブレット端末を入れるスペースもあります。

わんパックの底面

「わんパック」が一般的なリュックと違うのは、背面と底面の内側に芯材があり、しっかり箱型で自立すること。さらにビッグサイズの底鋲もあり、底面の破損を防いでくれます。

わんパックの背カンと肩ベルト

左右自在に動く背カンと肩ベルトのクッション。これらが連動して、リュックの重みがダイレクトに体へ伝わるのを和らげてくれる。

わんパックの反射材

薄暗い環境では反射材が機能して安心。やや交通誘導員のカッパみたいな光り方にダサいと感じましたが、運転手からの視認性はバッチリなので、子供には黙っておきました。

ここからは「わんパック」の欠点も指摘しておきます。

わんパックに教材を詰め込んだ状態

「わんパック」に教材を詰め込むと、かなりビッシリ。水筒や給食当番の袋は入りません。もしかして「今まで使っていたランドセルより小さい?」

わんパックのサイズ感

実測してみたところ、メイン収容の開口部は9cm、奥行き(内寸)は11cmでした。

モンベルの商品ページには奥行き16.5cmと記載されていましたが・・・
16.5cm(奥行き)というのは、前ポケットや背あても含めた全体サイズ(外寸)のようです。

わんパックのカラビナ

容量不足の対策として、両サイドにカラビナが付いてます。袋系(給食袋・上履きなど)は、ココにぶら下げることを想定しているようですが、安全対策上あまり好ましくはありません。

わんパックのレインカバー

トップのファスナーも気になります。雨が降ったら、ここから水がしみ込んできます。その対策として「レインカバー」が標準装備。

わんパックのレインカバー

「レインカバー」は「わんパック」専用カバーなので、当然ジャストフィットですが、ベルクロで3ヵ所固定はちょっと面倒です。
子供に「雨だからカバーして」と注意しても、面倒くさがってやりません。メーカーの意図通り、小学生が「レインカバー」を利用する可能性は低いと思われます。あと、このサイズ感は絶対になくすでしょう。

わんパックの背あて

背あての蒸れも気になります。表面と同じ「ラミネート加工」なので、通気性が悪そうです。
1万円台のリュックなので仕方ないかもしれませんが、夏がちょっと思いやられます。背中が汗でベチョベチョするのではないか。。。

ランドセルの代わりになるのか?

「わんパックがランドセルの代わりになるか?」と聞かれると、手放しで「大丈夫」とは言いずらいです。 最大の理由はサイズ感がだいぶ小ぶりだから。「置き勉」が推進されている学校なら、ありかもしれません。

ちなみに我が家では「塾用リュック」として「わんパック」を買いました。塾用としてはサイズ感がよく、しっかりした作りに重宝します。

特に底板がしっかりしている点が普通のリュックと違うところ。辞書を入れても型崩れせず、細長いお弁当箱なら寄れずに持ち運び可能。 おまけに内部の仕切りポケットは、スマホやパスケース収納に便利です。

価格&スペック

【わんパック】

■価格:¥14,850(税込)
■重量:約930g
■容量:13.5L

≪素材≫

  • [本体] ナイロン(840デニール)

わんパック ブラウン

≪カラー≫

  • ブルーグリーン
  • ブラウン
  • ワインレッド

わんパック
公式HP

「わんパック」の保証制度

取説のアフターサービス内容をまとめておきます。

一言で要約すると、初期不良(製造上の欠陥)以外の保証はありません。
利用開始後の不具合は、有償修理で対応可能。

【保証対象外】

  1. 誤った使用方法
  2. 間違ったお手入れ
  3. 間違った保管方法
  4. 経年変化による素材劣化
  5. 乱暴な取り扱いによるもの
  6. その他、製造上の欠陥以外の原因によるもの

「わんパック」の生地は840デニール(カタログ表記)のナイロン素材。素材強度はそれなりに担保されてますが、肌感触だと「生地の薄さ」が気になります。

軽量化を最優先したのでしょう。やんちゃな男の子が雑に扱うと、寿命が短いかもしれません。

※ 耐久性をもたすには、生地は厚くなり重くなっていくもの。

わんパックには、ランドセル業界の標準サービスである「6年間保証・代替品貸し出し(無料)」はありません。わんパックの素材と値段から考えると、「壊れたら買い替え」なのでしょう。

後悔&いじめは?

わんパックをランドセル代わりに使うことで、後悔するであろうポイントを改めて整理します。

  • サイズ
    一般的なランドセルと比較するとだいぶ小ぶりです
  • 耐久性
    生地表面をコーディングしている皮膜はすれ傷がつきやすく、防水力も衰えてきます
  • 保証制度
    ランドセルのような手厚いアフターサポート(6年間無償保証)はありません

モンベルのランドセルがいじめに繋がるとは断言できません。ただ新1年生が「わんパック」を背負っていたら、周囲に違和感を与えやすいと認識しておくべきです。

その理由は、一般的なランドセルとはあきらかに形状が異なるからです。作りも簡易的で値段も安いので「ランドセルを買ってもらえなかった可哀そうな子供」というレッテルを貼られる懸念はあります。

新1年生のためにナイロン製のランリュックを選びたいのであれば、もっとランドセル形状に近い他社製品から選んだほうが無難だと思います。

無償配布の自治体でも賛否両論

モンベルのランドセル「わんパック」は、地方自治体の子育て支援事業からスタートしています。

富山県立山町の「通学用リュックサック無償配布事業」
富山県立山町のHP

愛媛県愛南町でも「通学用リュックサック」の無償配布を開始予定。対象となる生徒は、2024年4月入学の子供たちです。
愛媛県愛南町のHP

先行した富山県立山町では、2023年度入学者全員へ「わんパック」を無償配布。ただ、利用状況は各家庭の判断に任せているとのこと。

NHK報道によると、わんパックを利用している生徒は約3割です。今のところ、利用率はあまり高くないようです。

わんパック派(3割)
  • 無料で助かる
  • 軽いしかっこいい
  • これで十分
ランドセル派(7割)
  • 子供がランドセルに憧れていた
  • 家族で自由に選びたい
  • お祝いだから買ってあげたい

やはり「わんパック」は、通学以外の用途に利用するのでは。。。
と考えさせるニュース報道でした。

まとめ

モンベルのランリュックは、値段の割にはいい商品。ただ、どうしてもサイズ不足を否めません。付け加えるならば、ファスナーを耐水タイプへ変更し、背あての通気性も改良して欲しい。

モンベルなら高品質なモノと期待しましたが、さすがにこの値段では無理があったみたいです。元々の開発コンセプトが「子育て世代の経済的負担を軽減する事」なので、随所にコストカットした痕跡があります。

今後のバージョンアップが望まれる商品と感じました。